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平滑回路の特許技術(Capacitance Shifter)

【 概要 】

 商用交流電源を変換し、直流電源として利用するには、何らかの平滑回路が必要となります。中でも、古くから用いられているのが、コンデンサインプット形(キャパシタインプット形)です。簡単な構成ではありますが、力率が悪く、現在のエネルギー環境では、主流にはできません。しかし、簡素な回路構成は、非常に魅力的ではあります。
 そこで、コンデンサインプット形の簡易な構成を継承し、少ない部品・回路の追加で、実用的な力率を実現したのが、弊社開発の特許技術「キャパシタインプット形平滑回路」です。
 本技術を利用すれば、簡易で実用的な直流電源回路が企画できます。

※ はじめにお断りしておきますが、弊社では、完璧な力率を目指す製品では、電源系ICメーカー様のPFC等をおすすめしております。


 本技術の特徴

  • コンデンサインプット形を基本構造としているので、簡易な回路構成。
  • ラッシュガード(突入電流抑制)を含めても、少ない部品点数。
    ※簡易な回路構成で、部品点数、工数が少なく、低コスト。
  • コンデンサインプット形でありながら、実用的な力率。
  • 平滑用コンデンサからの電力を必要としない電圧領域では、ダイオード一つ分の損失しか無い高効率回路。
  • 負荷によっては、電解コンデンサを使用しない『電解コンデンサレス・ケミコンレス』を実現できるので、超長寿命。等々... 。

【 詳細 】

 電源回路を設計する上で、ほとんどの場合、電源回路そのものが必要とする、最低電圧が設定されます。商用電灯線の交流を整流しただけの脈流では、その最低電圧を下回った時、出力が足りなくなったりする問題が生じます。
 本技術では、商用電灯線からの電力の電圧が、設定された最低電圧を下回っている時のみ、予め充電しておいた平滑用コンデンサを放電させ、負荷回路(電源)に供給します。また、商用電灯線からの電力の電圧が、設定された最低電圧を超えている時は、バイパス回路により、ほぼ損失の無い、そのままの電力が、電源回路に供給されます。目的は、脈流の谷を埋める事だけにあります。
 以下、参考回路にて、ご説明致します。


図1
特許キャパシタインプット形平滑回路の例

 図1を例にすると、商用電灯線交流電力(11)が、ブリッジダイオード(12)に接続されていて、交流が整流され、電力線(13)へ流れます。
 電力が、逆流防止用ダイオード(D2)から、平滑用コンデンサ(C1)へ流れ、充電されるのが、従来のコンデンサインプット形となります。ここまでは、本技術も同様です。従来のコンデンサインプット形の充放電の波形イメージは、図2となります。図2の上が電圧値、下が電流値です。

 電力線(13)に供給されている電力の電圧が、電源回路である負荷(Load)が最低限必要とする電圧域より、高い場合、電力は、ダイオード(D1)を通り、負荷(Load)に供給されます。他のPFCと比べ、電力の供給は、ほぼ直結となり、この時の損失は、ダイオード(D1)の降下分だけとなりますので、コア損・スイッチング損を伴いませんので、非常に低損失です。

 電力線(13)に供給されている電力の電圧が、電源回路である負荷(Load)が最低限必要とする電圧域より、低い場合、電子スイッチ(FET1)のソース・ドレイン間が通電となり、平滑用コンデンサ(C1)が放電を開始し、逆流防止用ダイオード(D3)を通じ、負荷(Load)へ、電力が供給されます。
 電子スイッチ(FET1)を通電にするには、まず、電力線(13)に接続された抵抗(R1,R2,R3,R4)による分圧を、電子スイッチ(Tr1)で検知します。抵抗(R3)に接続された電子スイッチ(Tr1)のベース・エミッタ間の電圧が低い場合に、コレクタ・エミッタ間は不通となり、抵抗(R4)を流れて来た電流は、電子スイッチ(Tr2)のコレクタ・エミッタ間を通電させます。すると、Pch型である電子スイッチ(FET1)は、ソース・ゲート電圧がマイナスとなり、通電します。

 図3は、抵抗(R1,R2,R3,R4)による分圧を、適切に設定し、最低電圧(V sen)にて、本技術が作動する様にした場合の、波形イメージです。上が電圧値、下が電流値です。ちょうど、脈流の谷間のみ、平滑用コンデンサ(C1)から、電力が供給されている事がわかります。故に、従来のコンデンサインプット形の様に、脈流の頂点から下降する時、すぐに平滑用コンデンサが放電を開始する事は無く、脈流の下降部分の多くも、商用電力線よりの電力を使用する事となり、良好な力率が得られます。

図2図3
従来のキャパシタインプット形平滑回路の波形例 特許キャパシタインプット形平滑回路の波形例

《 応用例1 》

○ ケミコンレスLED照明『PeaLa』(試作機)

ケミコンレスLED照明 PeaLa

 詳しくは、PDF IconPDFファイル『遅咲きの新世代LED照明 PeaLa』を、ご覧下さい。

※株式会社タキオン様 ストリング方式LEDドライバーIC TKL303使用。TKL313を推奨。


《 応用例2 》

○ スイッチング電源の簡易PFCとして…

図4
スイッチング電源の簡易PFCとしての回路ブロック図例

 本格的なPFCが組めない場合でも、簡易的な本技術を導入して、少しでも、その`恩恵`に近づくことにしませんか?
 本技術の基本は、単純なコンデンサインプット形です。欠点を再度、申し上げておけば、完璧な力率は期待できません。しかし、ひと工夫として、小中学生の電子工作程度の部品点数を付け加えれば、単純なコンデンサインプット形の欠点である、脈流の電圧が降下を始めると同時に、コンデンサが放電をしてしまい、商用電灯線の電力を使用しなくなってしまうという事が、解消されるのです。
 高周波数のスイッチングはしませんので、大きなスイッチングロスに悩む事はありません。
 また、降圧型のスイッチング電源に使用する場合は、究極的にはトランスの比を下げ、動作電圧を、出力電圧ギリギリまで追い込み、コンデンサからの放電時間を切り詰め、ケミコンレス仕様にする事で、力率だけではなく、長寿命も期待できるようになります。
 もちろん、元々ケミコンレスをうたっている電源系IC・LEDドライバー※表1等の1次側の平滑として、応用が大いに期待できます。
 電圧波形は、脈流を更に凸凹にしたものになりますが、実際はソフトスイッチングをしていて、傾斜がありますので、スイッチング電源の制御系が、追いつけないという事は、恐らくありません。
 簡易型PFCとも言える本技術で、あまりコストを掛けず、しかし、大きな効果は期待するという、一見矛盾しているかの様なもので、`カイゼン`してはいかがでしょうか?

図5
スイッチング電源の簡易PFCとしての波形例

※表1:
誠に勝手ながら、応用できそうなAC/DC LEDドライバICを掲載いたします。各社、ご容赦を。
その他、ACアダプター等のスイッチング電源でも、ご検討下さい。

メーカー型番
サンケン電気株式会社様LC5200
LC5220
LC5550LD等 各シリーズ
トレックス・セミコンダクター株式会社様XC9401シリーズ等

【 まとめ 】

 電力を送電する上では、大変便利な交流ですが、直流にて動作する製品が多くなった現代社会においては、平滑が、電力使用効率に大きく関わり、その更に奥は、環境問題に直結しております。その様な状況下、高性能なPFCは次々に生まれていますが、スイッチング電源以外では、中々使い難いという面もあります。
 コイルもトランスも無いのでシミュレートもしやすく、設計も簡単、工夫次第で、ほとんどの電源に応用ができます。1次側平滑という、ごく一部の部分ではありますが、御社の電源部ソリューションのお役に立てれば幸いです。


【 特許について 】

名称
キャパシタインプット形平滑回路
出願種別
特許
出願番号
特願2014-552438
国際出願番号
PCT/JP2014/052122
国際公開番号
WO/2015/114780
特許
日本 : 特許第5882500号
米国 : US 9,467,062
出願人
株式会社ヘイワ
ヘイターズラボ株式会社

【 本技術のライセンス 】

 株式会社ヘイワとヘイターズラボ株式会社では、本技術を利用していただけるライセンシー様を、広く募集しております。ぜひ、御社の製品開発にお役立て下さい。
 なお、ライセンスについての詳細や、ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。


※ ライセンサーは、本技術のライセンスを管理しております株式会社ヘイワです。

【 お問い合わせ先 】

ヘイターズラボ株式会社
電子メール :
※ 確実にお問い合わせ等にお応え致したく存じますので、お手数ですが、ご一報は電子メールにて、ご連絡先等を明記の上、お送り下さいますよう、お願い申し上げます。
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